【空手に必要な筋トレ】撃たれ強い身体作りとパンチ力・キック力を上げる鍛え方

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    空手など打撃格闘技が強くなるために必要不可欠な筋トレ方法を、フルコンタクト空手からテコンドーに転向し、全日本高校生2年連続メダル奪取・リオ五輪日本代表二次選考会に進出した選手(筆者の息子)のフィジカルトレーナーを務めてきた筆者が、実際に選手に実践してきた筋トレ理論とメニュー方法をご紹介します。

    空手など打撃格闘技は大きく三つの力が必要ですが、それは「撃ち合いに負けない体幹筋力」「拳撃のパンチ力」「蹴撃のキック力」です。これら三つの力の鍛え方をそれぞれ解説していきます。



    まずは、こちらの動画をご覧ください。当該選手の高校1年~2年時代の高校生部門・一般部門のハイライトです。高校1年で一般部門の全日本メダリストに勝利した試合も含まれています。空手など打撃格闘技における三つの力の重要性がおわかりいただけると思います。

    ※本記事は、東京五輪にむけて県外の最強豪大学に競技進学する息子への思いもこめて、12年間の親子での競技練習の総まとめとして執筆しました。

    ■撃ち合いに負けない体幹力の鍛え方


    ●体幹の前面と後面をまんべんなく鍛える




    こちらは、実際に選手が体幹トレーニングを行っている様子です。体幹の力とは、具体的には腹筋群と長背筋群の筋力で、その構造と作用は以下の通りになります。

    ○腹筋群(腹直筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋)
    腹筋群は体幹を屈曲させるたり旋回させる作用のほか、姿勢を維持する作用があります。

    ○長背筋群(最長筋・多裂筋・脊柱起立筋など)
    長背筋群は体幹を伸展させる作用のほか、姿勢を維持制御する作用があります。

    このように、体幹前面(腹筋群)と後面(長背筋群)には体幹を屈伸させる作用のほか、姿勢を維持する作用があり、その筋力を向上させることで撃ち合いになっても身体がグラつかず、的確に強い打撃を撃つ姿勢を維持することができるようになります。

    ●空手など打撃格闘技が強くなる腹筋群の鍛え方




    空手など打撃格闘技の体幹前面強化に最適なのがドラゴンフラッグです。動画を参照に行ってください。なお、ドラゴンフラッグができない方は、下記の記事にそのやり方のコツと各筋肉の強化方法を解説していますのでご参照ください。

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    【ドラゴンフラッグ】最強腹筋トレの効果的なやり方とできない人のための3つのコツと練習方法

    ●空手など打撃格闘技が強くなる長背筋群の鍛え方




    空手など打撃格闘技の体幹背面を鍛えるのに最適なトレーニング方法がハイパーバックエクステンションです。専用のローマンベンチがなくてもフラットベンチに足を上手くかければ行うことができます。まずはウエイトなしからはじめ、徐々に負荷を増やしていくとよいでしょう。

    なお、ハイパーバックエクステンションができない方は、通常のバックエクステンションからはじめて強化をしてください。下記の記事では、バックエクステンションの強度別のやり方を詳しく解説していますので、是非ご参照ください。

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    【バックエクステンション完全版】長背筋群に最適な筋トレの種類とやり方を徹底解説

    ■拳撃の威力を高めるパンチ力アップ筋トレ


    ●打つ場所と打ち方に分けて考えることが重要




    当該選手の試合での実際の拳撃の様子です。動画にもあるように、適切なタイミングと打ち方をすれば、胴防具の上からでも一撃で相手を倒すことも可能です。

    パンチ力を向上させるためには、パンチを打つ場所(ヘッドorボディー)と打ち方(ストレート系・フック系・アッパー系)に分けて考えることが重要です。

    ●パンチを打つ場所による差異


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    パンチは、ターゲットとする部位により大きく二つに分けられます。一つは首から上を打つヘッドパンチ、もう一つは胴体を打つボディーパンチです。この二つの部位を打つ場合、打ち方に大きな差異があります。

    ヘッド打ちは、頭部の重量が軽いため、ヒッティングの瞬間に反動は少なくパンチを打った腕が反作用で押し戻されることはありません。ですので、速いパンチを「打ち抜く」または「振り抜く」といった動作が重要となってきます。いわゆる「手打ち」と呼ばれる肩から先の打撃でも十分に有効打となりえます。

    一方、ボディーは重量が腕より遥かに重く、「打ち抜く」や「振り抜く」といった打ち方はできません。無理に打ち抜こうとしても、反作用で腕が押し戻されるか、ただ相手の身体を押すだけになってしまいます。この場合、重要なのは打撃を相手のボディーに置いてくることで、わかりやすく表現すると「鐘をつく要領」でヒッティングと同時に素早くパンチを引くことが肝心です。

    ●パンチの打ち方による差異


    パンチにはヘッドパンチ・ボディーパンチともにストレート系・アッパー系・フック系の三種類があり、そして、それぞれにパンチ力を増すために腕の回旋や固定をともなっています。

    ストレートパンチはインパクトの瞬間に、拳をやや内旋=手の甲が上を向く方向に回旋させることによりパンチ力が増します。

    アッパー系のパンチではストレート系パンチとは逆回転の回旋、すなわち外旋=手の平が上を向く方向に拳を回旋させることでパンチ力が向上します。

    フックを打つ場合にもっとも重要なことは、肘の角度を直角に保つことです。この固定ができていないと、打撃は相手に伝わらず、反動として自分の腕に返ってきます。

    これら、パンチ力を向上させる筋トレ方法については下記の記事に詳細にまとめてありますので、是非ご一読ください。

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    【パンチ力を上げる筋トレ】打つ場所(ヘッド・ボディー)と打ち方(ストレート・フック・アッパー)別に詳しく解説

    ■蹴撃の威力を高めるキック力アップ筋トレ


    ●大腿筋だけでなく股関節周辺の筋肉を鍛えるのが重要




    当該選手の実際の試合での蹴撃の動画がこちらになります。



    空手やテコンドーなど武道系打撃格闘技の蹴撃には、ポイントや技ありをとるための速い蹴りと、相手を倒すための強い蹴りがあり、それぞれに打ち方が異なります。こちらは、当該選手の速い蹴りの練習風景です。



    こちらが相手を倒すための強い蹴りの練習の様子です。

    多くの方が誤解していることが「キック力」=「大腿筋の強さ」ということですが、実際には、大腿筋の強さを発揮するためには、そもそも足を上げる筋肉である腸腰筋群や臀筋群などの股関節周辺の筋肉を鍛えることが最重要です。

    具体的には、足を前に上げて蹴るためには次の一連の動作が必要になります。それは、「股関節を屈曲させる」→「膝関節を伸展させる」→「足首関節を屈曲させる」で、それぞれ「腸腰筋・大腰筋」「大腿四頭筋」「前脛骨筋」がその主働筋となります。これらは蹴る動作において同時に働く共働関係にあります。

    また、これらの足を上げて蹴る筋肉グループを鍛えるだけではキック力は向上しません。その拮抗筋である足を下ろす筋肉も同時に鍛えてはじめて、キック力は向上していきます。蹴った足を下ろす一連の動作は「股関節を伸展させる」→「膝関節を屈曲させる」→「足首関節を伸展させる」というもので、それぞれ「臀筋群(大臀筋・中臀筋・小臀筋)」「ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)」「下腿三頭筋」がその主働筋になります。

    これらの筋肉群の適切で効果的な筋トレ方法は下記の記事に詳しくまとめてありますので、是非ご参照ください。

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    【キック力を上げる自宅筋トレ】腸腰筋(大腰筋)・臀筋群と足の筋肉の作用と鍛え方を徹底解説

    また、より実戦的にハイキックとミドルキックの打ち分けと蹴り方を、戦術的理論とともに解説したものが下記の二つの記事です。あわせて、ご参照ください。

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    【ミドルキックの蹴り方】威力を上げる軸足の返し&当てる場所と連打方法およびハイへの変化

    【ハイキックの蹴り方】上段の回し蹴り・前蹴り・回転蹴りのポイント・コツとタイミング

    ■空手など打撃格闘技練習におすすめの道具類


    ●実際に使用してきたミット・サンドバッグ類をご紹介


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    下記の記事は、筆者と息子が10年以上にわたる自宅練習で使用してきたキックミットやサンドバッグについて詳しく解説したものです。実際の使用感をまじえて詳しく解説していますので、是非、ご活用ください。

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    空手など打撃格闘技のおすすめ自宅練習用具(ミット・サンドバッグ)と練習方法をJr.強化選手のトレーナーが解説

    ■筋トレの効果を高める食事とサプリメント


    ●タンパク質主体の食事を心がける


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    筋トレの効果を高めるためには、まずはしっかりとタンパク質を摂ることが大切です。一日に体重1kgあたり10gのタンパク質食品(純タンパク質で約2g)を摂るようにしましょう。筋トレと食事に関する詳しい情報は下記の記事をご参照ください。

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    【筋トレ食事メニュー例】筋肉をつけるレシピやダイエット減量期のコンビニ食まで解説

    ●プロテイン・BCAA・クレアチンがおすすめ


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    さらに筋トレ効果を高めたい場合は、食事だけでなくサプリメントも有効に活用していきましょう。なかでも、プロテイン・BCAA(分鎖岐アミノ酸)・クレアチンの三種類は基本的かつ効果が科学的に確認されています。その使い方は下記の記事をご参照ください。

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    【筋トレサプリ25選】プロテイン・BCAA・クレアチンの効果的な摂取方法


    ■執筆者:G.Kamioka
    ・日本アームレスリング連盟審判長
    ・二見トレーニングクラブ代表
    ・生物学博物館学芸員
    ・戦績
    1997三重県75kg級優勝
    2000三重県85kg級優勝
    2006全日本社会人選手権85kg超級2位
    2007アジア選手権85kg級5位
    2011全日本マスターズ80kg超級2位
    2011アジアマスターズ90kg級3位
    2014全日本マスターズ90kg級3位

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    ■H.Kamioka
    ・戦績
    2009愛知県選手権優勝
    2009JAPAN OPEN国際優勝
    2009JOC全日本ジュニア3位
    2010JAPAN OPEN国際優勝
    2010東日本選手権優勝
    2011JAPAN OPEN国際2位
    2011KOREA OPEN国際3位
    2012JAPAN CUP選手権2位
    2012JAPAN OPEN国際優勝
    2012JOC全日本ジュニア3位
    2013JAPAN OPEN国際優勝
    2013愛知県選手権優勝
    2013JOC強化事業日韓戦1RKO勝利
    2014愛知県選手権優勝
    2014全日本選手権東日本地区大会3位
    2015日本橋OPEN一般上級準優勝
    2015愛知県選手権優勝
    2015青龍会OPEN一般上級優勝
    2015JOC全日本ジュニア準優勝
    2016愛知県選手権優勝
    2016JOC全日本ジュニア3位


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