【水泳が速くなる筋トレ】4種類の泳ぎ方別にピンポイントの自宅筋肉強化メニューを解説

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    水泳が速くなるための自宅筋トレ方法を、小学生から水泳をはじめ20年以上潜水士としても実務を続けているジムトレーナーが解説します。まず、クロール・平泳ぎ・背泳ぎ・バタフライに共通の基本筋トレをご紹介し、それぞれの泳ぎ方別にポイントとなる筋肉の強化メニューも個別に解説していきます。

    ■水泳に筋トレ効果はあるのか?


    ●速く泳ぐためには水泳は水泳・筋トレは筋トレで分けて行う


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    本題に入る前に、水泳に関してよくある疑問に対してお答えしたいと思います。それは、「水泳に筋トレ効果はあるのか?」という疑問です。

    水泳には確かにある程度の筋トレ効果はありますが、ウエイトトレーニングなどの本格的な筋トレに比べるとはるかに非効率です。この疑問は水泳選手が見事な逆三角形の体型をしていることからくる誤解ですが、一流選手になればなるほど、水泳で筋肉を鍛えているわけではなく、筋トレで鍛えた筋肉を水泳に使っているというのが正しい認識です。

    これは、水泳に限らずあらゆるスポーツ競技に言えることですが、競技動作のなかで筋肉を鍛えるのには限界があります。競技能力を向上させるためには、競技練習以外にウエイトトレーニングなどの筋トレを行って筋肉を強化し、その筋肉・筋力を効率的に発揮できるように競技練習のなかで反復練習を行っていくのがスポーツ科学の常識です。

    ■水泳でよく使う筋肉


    ●三角筋・広背筋・大腿四頭筋・ハムストリングス・臀筋群・回旋筋腱板




    一流の水泳選手に共通の体型を思い浮かべていただければ、水泳でよく使う筋肉はご理解いただけると思います。それは、三角筋・広背筋・大腿四頭筋・ハムストリングス・臀筋群・回旋筋腱板・腸腰筋群です。ますは、これらの筋肉の構造と作用を個別に解説するとともに、自宅で取り組みやすい自重トレーニング・チューブトレーニング・ダンベル筋トレをご紹介します。

    なお、筋肉の詳細な名称と作用については下記の筋肉図鑑をご参照ください。

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    ●肩を動かす主働筋の三角筋


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    水泳選手は肩幅が広いものですが、これは肩の筋肉・三角筋が発達しているからです。三角筋は肩から先を動かす主働筋で、「腕を前に上げる/三角筋前部」「腕を横に上げる/三角筋側部」「腕を後ろに上げる/三角筋後部」という作用を持っています。

    ●三角筋の自重筋トレ・パイクプッシュアップ




    腰を大きく曲げ、逆立ちに近い状態を作って腕立て伏せ行うパイクプッシュアップは、三角筋を集中的に鍛えることのできる自重トレーニングです。肩関節保護のため、肘が体幹より後ろにこないように気をつけて動作してください。15回が1セットの目安です。

    ●三角筋のダンベル筋トレ・ダンベルショルダープレス




    三角筋全体に効果の高いダンベル筋トレがダンベルショルダープレスです。椅子などに座って行うシーテッドショルダープレスのほうが、反動を使えずよりストリクトに三角筋を鍛えることができます。15回が1セットの目安です。



    また、ダンベルのかわりにトレーニングチューブを使ってショルダープレスを行う方法もあります。

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    ●腕を引きつける主働筋の広背筋


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    水泳選手の身体は逆三角形をしていますが、これは背中に逆三角形状に位置する広背筋が発達しているためです。広背筋は「腕を上から引く/広背筋側部」「腕を前から引く/広背筋中央部」という作用があります。

    ●広背筋の自重筋トレ・懸垂




    広背筋を鍛える定番種目が懸垂です。懸垂はバーから上に顎を出すことにこだわりがちですが、それでは広背筋が完全収縮しません。胸を張り、肩甲骨を寄せながらバーに胸をつけにいくのが正しい懸垂のフォームです。

    また、懸垂ができないという方はかわりに斜め懸垂を行うことで広背筋を鍛えることができます。いずれも、15回を1セットの目安にしてください。

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    本格的に自宅筋トレを始めるならば、まず揃えたいのが懸垂ラック・装置です。懸垂だけでなく腕立て伏せ・ディップ・腹筋など、一通りの自重トレーニングができるチンニングラックから簡易的にドア部分に取り付けるものまで、さまざまなタイプがあります。

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    ●広背筋のダンベル筋トレ・ダンベルローイング




    広背筋をダンベルで鍛えるのに最適な種目がダンベルローイングです。なかでも、片手ずつ行うワンハンドダンベルローイングは可動域も広くなり効果的です。胸を張り、前を見るフォームでしっかりと肩甲骨を寄せて広背筋を完全収縮させてください。



    また、トレーニングチューブを使ったローイングで広背筋を鍛えることも可能です。いずれも15回を1セットの目安に行なってください。

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    ●回旋筋腱板/ローテーターカフも鍛えよう


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    肩関節~肩甲骨にかけて分布する回旋筋腱板・ローテーターカフと呼ばれるインナーマッスルは、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4つの筋肉から構成され、上腕の回旋運動に非常に重要な働きをする筋肉群です。

    この筋肉群を鍛えるためには、エクスターナルローテーションとインターナルローテーションと呼ばれる筋トレをダンベルやチューブを使っておこなうのが最適です。詳しくは下記の記事に動画付きで解説していますので、そちらをご参照ください。

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    ●太ももの主働筋・大腿四頭筋


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    水泳選手の太もも前面は非常に逞しいですが、これは大腿四頭筋が発達しているからです。大腿四頭筋は「膝関節を伸展させる」作用があります。なお、水泳の足の動きとしては、股関節から先を全体的に動かすのが理想で、膝から先でバタ足をするのは非効率です。大腿四頭筋を強化するのは、膝の屈伸力を上げるためではなく、太もも全体の筋力を向上させるために行います。

    ●大腿四頭筋の自重筋トレ・スクワット




    大腿四頭筋を鍛える代表的な自重トレーニングが「キング オブ トレーニング」とも呼ばれるスクワットです。膝がつま先より前に出ないことに注意し、胸を張り背中を反らせ、やや上方を見ながら動作すると正しいフォームになります。また、しゃがむ時は椅子に座るように斜め後方に腰を下ろしてください。なお、15回を1セットの目安にしてください。

    ●大腿四頭筋のダンベル筋トレ・ダンベルレッグエクステンション




    ダンベルを使って大腿四頭筋を集中的に鍛えられるのがダンベルレッグエクステンションです。膝を伸ばしたポジションでつま先を手前に向ける動作をすると、大腿四頭筋が完全収縮し、さらに効果が高まります。



    なお、トレーニングチューブを使ってレッグエクステンションを行うことも可能です。いずれも、15回を1セットの目安にしてください。

    ●脚を後ろに上げるハムストリングスと臀筋群


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    足全体を後ろに上げる作用を持つ、太もも裏側の筋肉・ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)とお尻の筋肉・臀筋群(大臀筋・中臀筋・小臀筋)は水泳の下半身の動作の中でも特に重要です。水泳選手の臀部が発達し、持ち上がっていることからもわかります。

    ●ハムストリングス・臀筋群の自重筋トレ・ブルガリアンスクワット




    ハムストリングス・臀筋群高強度で鍛えることのできる自重トレーニングが、ブルガリアの五輪体操チームが発案したとも言われるブルガリアンスクワットです。胸を張り、背中を反らせ、やや上を見ると正しいフォームになります。また、膝がつま先より前に出ないように気をつけながら、斜め後方にしゃがむように動作してください。片足10回ずつが1セットの目安です。



    また、高強度のブルガリアンスクワットを行うのが厳しい方は、同じ効果があり強度が低めのランジを行うとよいでしょう。

    ここまでは、水泳全体に必要となる基本的な筋肉の作用と鍛え方を解説してきましたが、次の項目では、泳ぎ方・種目別に特に強化したい筋肉部位とその鍛え方を解説します。

    ■クロールで特に強化したい筋肉と鍛え方


    ●縦に腕をかく力を鍛える(大胸筋)


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    クロールで特に鍛えたいのは、縦に手をかく力=大胸筋および広背筋の縦方向の収縮力です。



    縦方向に大胸筋を収縮させることのできる、ほぼ唯一の筋トレ方法がこちらのようなダンベルプルオーバーです。ダンベルプルオーバーは肘の位置と角度で大胸筋に効いたり広背筋に効いたりする、動作が難しい種目ですので、しっかりと事前に意識ポイントを覚える必要があります。

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    この図のように、肘を開いて曲げると大胸筋に、肘を閉じて伸ばすと広背筋に効果があります。15回が1セットの目安です。

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    ■平泳ぎで特に強化したい筋肉と鍛え方


    ●足を横方向にかく力を鍛える(内転筋群)


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    平泳ぎで特に鍛えたいのは足を横方向に閉じる力です。その主働筋は太もも内側の内転筋群と呼ばれるインナーマッスルで、アダクションと呼ばれる筋トレで鍛えることが可能です。



    もっとも手軽に内転筋群を鍛えられるのが、チェアヒップアダクションと呼ばれる自重トレーニングです。動画を参考に行ってください。20回が1セットの目安です。

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    ■バタフライで特に強化したい筋肉と鍛え方


    ●上体を起す力を鍛える(長背筋群)


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    バラフライで特に鍛えたいのが上体を起す筋力です。その主働筋となるのが脊柱沿いに分布している長背筋群(最長筋・多裂筋・脊柱起立筋など)です。



    長背筋群を自宅で簡単に鍛えられるのがバックエクステンションです。反動を使うと効かないばかりか、腰を痛める原因にもなりますので、身体を起す時も下ろす時もゆっくりとコントロールした動作で行うことを心がけてください。20回が1セットの目安です。

    なお、バックエクステンションの強度別バリエーションについては下記の記事で詳しく解説しています。

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    ■背泳ぎで特に強化したい筋肉と鍛え方


    ●足全体を前後に動かす力を鍛える(腸腰筋群)


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    背泳ぎは他の三種目の泳ぎ方と比べると、下半身の筋力に比重の大きい泳ぎ方です。また、背泳ぎではクロールよりもさらに膝は曲げません。このため、足全体を股関節から動かす腸腰筋が特に鍛えたい筋肉部位になります。



    こちらが腸腰筋を鍛える基本種目のレッグレイズです。セット中は足を床につけないようにするとともに、反動を使わないように気をつけて動作を行ってください。20回が1セットの目安です。

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    ■自宅トレーニングにおすすめの器具類


    ●おすすめのダンベル


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    自宅ウエイトトレーニングのメインとなるのがダンベルですが、アイアンダンベル・ラバーダンベル・クロームダンベル・アーミーダンベルなどがありチョイスに悩みますが、床が傷つかずスタンダードスタイルのラバーダンベルがおすすめです。

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    なお、詳しい自宅でのダンベルトレーニングに関しては、下記の記事をご参照ください。

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    ●おすすめのトレーニングチューブ


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    なお、トレーニングチューブは単品で買い揃えるよりも、強さの違う複数のものがセットされたものを購入するのがリーズナブルです。

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    なお、トレーニングチューブに関する詳しいトレーニング方法は下記の記事をご参照ください。

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    ●最新型のコンプレッション+テーピングウエア


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    現在、トップアスリートやトレーニング上級者の間で徐々に広まりつつある、次世代の筋肉サポートウエアが、従来のコンプレッションウェアの加圧作用に加え、人間工学に基づいたシリコンテーピングラインで筋肉の動作を補助する「エナスキン」です。

    メーカーの公式ページにも。効果のある競技種目として「水泳」と明記されており、陸上でのトレーニングだけでなく、装着したまま水泳の実技練習・競技などを行うことも可能です。

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    実際、筆者自身もマスターズⅡ全日本メダル奪取にむけ、筆者の息子も東京五輪にむけた日々の練習・トレーニングに使用しており、確かな効果を実感しています。

    その詳細に関しては、下記の記事に詳しくまとめましたので、是非ご参照ください。

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    ●もはやワールドスタンダードのアンダーアーマー


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    コンプレッションウェアと言えば、ワールドスタンダードとも言うべきブランドがアンダーアーマーです。

    アンダーアーマーのコンプレッションウエアには、大きくは、夏むきのヒートギアと冬むきのコールドギアがありますが、その機能性の特徴などは下記の記事にまとめましたので、是非ご参照ください。

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    また、アンダーアーマーアウトレットおよび訳あり品の最新情報を、季節にあわせて随時更新している当サイトの人気記事が下記のものです。どうぞ、ご活用ください。

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    ■筋トレの効果を高める食事とサプリメント


    ●タンパク質主体の食事を心がける


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    筋トレの効果を高めるためには、まずはしっかりとタンパク質を摂ることが大切です。一日に体重1kgあたり10gのタンパク質食品(純タンパク質で約2g)を摂るようにしましょう。筋トレと食事に関する詳しい情報は下記の記事をご参照ください。

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    ●プロテイン・BCAA・クレアチンがおすすめ


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    さらに筋トレ効果を高めたい場合は、食事だけでなくサプリメントも有効に活用していきましょう。なかでも、プロテイン・BCAA(分鎖岐アミノ酸)・クレアチンの三種類は基本的かつ効果が科学的に確認されています。その使い方は下記の記事をご参照ください。

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